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神戸地方裁判所 昭和53年(行ウ)21号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【判旨】

二<証拠>によれば、

1 原告は、昭和四五年二月七日市長に対し、本件各建物移転による一切の損失補償金を金二五七万〇八〇〇円とし、右補償金は、原告が移転に着手した後に内金一二〇万円を、残額は移転完了後にそれぞれ請求することを条件として、自ら建物を移転することを承諾したうえ、同月一〇日建物移転除却に着手し、翌三月一二日建物除却完了届を市長宛に提出したこと、

2 しかし、本件各建物のうち、木造浪スレート葺平家建の一棟の建物については除却が完了していなかつたため、市長は昭和四八年二月二六日原告に対し、右建物の除却通知及び照会をしたが、原告がこれに応じなかつたので、市長は、直接除却工事を行う旨通知したうえ、同年四月三日右建物の除却工事を実施し、同日完了したこと、

3 原告は、仮換地上に建物の建築工事に着手し、昭和四五年一二月一〇日右工事を完了したこと、

以上の事実が認められ、この認定に反する証拠はない。

三ところで、裁決の無効確認の訴は、当該裁決に続く処分により損害を受けるおそれのある者その他裁決の無効確認を求めるにつき、法律上の利益を有する者に限り原告適格が認められるところ前記認定のとおり、原告が無効確認を求める各裁決は本件各建物に対する移転通知及び前記一棟の建物に対する除却通知についての原告の不服申立に対するものであり、本件各建物の除却工事が昭和四五年三月一二日もしくは昭和四八年四月三日に完了している現在においては、原告が右各裁決に続く処分により損害を受けるおそれの生ずる余地はなく、他の裁決の無効確認を求めるにつき法律上の利益を有することが認められないから、原告は、本件につき訴の利益を欠き、原告適格を有しないものというべきである。

(西内辰樹 野田殷稔 法常格)

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